病気の話

くすりこばなし(その2)

お薬の正しい服用時間

お薬は、種類によりその服用時間が異なります。

食前に服用するお薬には、食欲増進剤・制吐剤・制酸剤・漢方製剤などがあります。
食間とは、食事中ではなく食後2時間くらいのことを言います。制酸剤などは胃酸分泌の始まる少し前、すなわち食間に服用すると良い効果が得られます。
食後とは、食事の30分くらい後を言い、一般的なお薬は大体この飲み方になります。

ところでお薬は、服用時間を指示される場合があります。それはそのお薬の性質のためです。たとえば、高血圧の患者さんによく処方される降圧利尿剤には、血圧を下げて尿をよく出す作用があるため、夕食後に飲むと夜中に排尿のため、たびたび起きなければならなくなります。
このような欠点に配慮し、1日1回朝や1日2回朝と昼などという服用が指示されているのです。

逆に、睡眠剤や下剤は、就寝前に服用となります。
抗生剤などは病原菌の発育を抑えるため、数時間ごとに服用が指示されます。服用時間が空くと、お薬の作用、効果が一時的に下がって有効でない時間帯が生じ、治療上好ましくないので、一定の時間ごとに服用が必要となります。
このようなことから、お薬の効果、用法などによって服用時間は大体次のように考えられています。

【食前とは】 食事のおよそ30分くらい前
【食直前とは】食事のすぐ前
【食直後とは】食事のすぐ後
【直後とは】食事のおよそ30分くらい後
【食間とは】食事のおよそ2時間後
【就寝前とは】就寝のおよそ30分くらい前
【頓服とは】医師の指示に従い服用

お薬の正しい服用回数

近年、食生活が不規則な方も増えてきております。そのような方では、1日3回服用の場合には、次のお薬を飲むまでは4時間以上あけること、1日2回服用の場合は5~6時間以上あけること、1日1回服用の場合には8時間以上あけるようにしてください。また1回分飲み忘れたからといって2回分を一度に飲むことはいけません。このような飲み忘れを避ける意味で、1日1回の服用で効果が十分発揮されるようなお薬も多くなってきています。

お薬は、医師が患者さんの病状を診断し、それをもとに適切に処方しておりますので、規則正しく服用することが大事です。お薬は、湿気・高温・直射日光を避け風通しのよい涼しい所に保管してください。なお、最近のお薬は小型で色彩も良く作られておりますので、小さなお子さんが誤って飲まないよう、お子さんの手の届かない安全な場所に保管してください。

また、処方されたお薬について不明な点がありましたら、病院までお問い合わせください。

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