整形外科専門医、脊椎外科指導医が「せぼね」と「ひざ」の病気を中心に診療しています。

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病気の話

ひざの病気について(その3)

整形外科部長 川又 朋麿

膝疾患の症状

治療は症状の強さや期間、年齢でいろいろ選択されます。症状が軽く変形が軽度の場合、多くは生活の改善で症状が緩和します。すなわち歩き過ぎをなくし、階段からエレベータに変え、無理な曲げ伸ばしを避け、さらにひざ周囲の筋肉を鍛えて骨や軟骨にかかる負担を減らすように工夫することです。
しかし、それでも痛みが強ければ、抗炎症剤を服用したり、痛み止めのシロップや軟膏を使用すると、症状の緩和が期待できます。また、水が溜まっているときは、水を抜くのも重苦感の軽減に有効です。

最近では水を抜いた際に、ヒアルロン酸製剤を直接関節内に注射する治療が行われています。関節表面を滑らかにし、軟骨の栄養にもなることから、症状が進んだ患者さんには有効なようです。
さらにひざを温めて血流を改善し、ももの筋肉を強化する訓練などリハビリも効果的です。またO脚の変形が強ければ、ひざが外側に反るようにして内側にかかる負担を減らす足裏の装具やひざのサポーターでも除痛が期待できます。

残念ながら、どの治療でも劇的な効果は期待できません。加齢によりひざの耐久限度が下がってきたところに、太りすぎや運動不足による筋力低下・働き過ぎが加わり、ひざへの負担が相対的に増加したことが原因しているからです。徐々に衰えたひざの軟骨や筋力を自覚せずに、若いころと同じように負担をかけている生活習慣の改善が重要です。治療も大事ですが、まずは症状を感じ始めたら、適度な運動を行い、太りすぎや運動不足に陥らないようにし、ひざを大事にするよう心がけましょう。

痛みが強く、家の中での生活にも支障がみられるようであれば、手術が考慮されます。年齢や変形の部位・程度で手術方法に違いがあります。
一般に初期には関節鏡で磨り減った軟骨の掃除を行い、ひっかかりや水腫の改善を図ります。さらに症状が内側だけに強い場合は、脛骨を骨折させて骨の向きをX脚に変える高位脛骨骨切り術が行われることもあります。
変形が進行すると、人工関節置換術という治療が必要になります。人工関節は金属と特殊プラスチックでできた関節です。変形した大腿骨・脛骨を削り取り、金属とプラスチックを埋め込む治療です。この手術は除痛の効果が大きい反面、非常に大きな侵襲を伴います。そのため最近は変形した部位が限局していれば一部分だけ人工関節に置換する方法や最小侵襲手術法と呼ばれる治療法も開発されてきました。

長い人生を介護に頼らず、痛みがなく2本足で自立した生活を送るようにしてください。そのためには日頃からひざへの負担を考慮した生活を習慣にしてください。そして不幸にしてひざが変形した場合は、主治医の先生と変形に応じた治療法を相談されることをお勧めします。

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